ウォーキング・デッド の作品紹介

ゾンビがはびこる世界で生き残った人々に安息の地はあるのか？ 衝撃映像と人間ドラマで魅せるホラードラマの新境地。

2010年10月、ハロウィーンの夜から米AMCにて放送開始。映画『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』でアカデミー賞候補となったフランク・ダラボンが企画・監督総指揮・監督を務めて描く、アメリカンコミック原作のゾンビ・パニック・ドラマ。第1シーズンは第68回ゴールデグローブ賞テレビ部門の作品賞に見事ノミネートされた。

ゾンビがはびこる終末状態の世界で、警察官リック・グリムに率いられた生存者たちのサバイバルを描く。初回放送が10月31日ハロウィーン当夜であったことが功を奏したかどうかは定かではないが、530万人以上の視聴者を獲得し、最終的には全米ベーシックケーブルチャンネルのドラマで史上最高の視聴者数という驚きの記録を打ち立てた。原作はアメリカン・コミック界の人気作家リチャード・カークマン、2003年から今なお続いているご長寿コミックだ。カークマン自身が番組制作に携わっていることから、原作者の意向が投影されやすく、原作ファンにも納得の仕上がりになっていると評判だ。

主演の警察官リックには、『ギャングスター・ナンバー1』『ラブ・アクチュアリー』のアンドリュー・リンカーン、リックの妻役には『プリズン・ブレイク』のサラ・タンクレディ医師役で一躍人気者となったサラ・ウェイン・キャリーズのほか、生き残りメンバーの一人でダリル役を演じるノーマン・リーダスはレディー・ガガの『Judas』PVの出演で一躍脚光を浴びるなど、そのワイルドな魅力で本国アメリカのみならず日本でも人気ナンバー1との呼び声が高い。

映像的にはご想像通りおどろおどろしいゾンビたちが斧で頭を割られたり、弾丸でぶち抜かれたりするグロテスクな過激シーンが目白押し。いまやテレビでもここまでやっていいんだ……と妙に感心してしまったりする。となると、映像効果に頼りっきりの安っぽい三流ホラー的ドラマを想像してしまうが、いやいや侮ってはいけない。容赦ない凄惨な場面に負じと熱演する俳優陣と、悲惨な状況の中で生きる人間の強さと苦悩をしっかりと描いた人間ドラマストーリーで、奥行きを感じさせる作品になっている。

アメリカン・ドラマお得意のソーシャルメディアを利用しての宣伝活動も活発で、2012年3月には、Facebookを利用した『ウォーキング・デッド』シーズン3出演権争奪・ゾンビ・オーディションなるものが世界40ヶ国規模で開催された。ここで優勝したのは、なんと日本人女性。同胞として彼女のゾンビっぷりを応援したいものだ。
その人気を反映してシーズンを重ねるごとに製作スケールもアップしている。第1シーズンがわずか6話だったのに対し、第2シーズンは2部構成で前半7話後半6話という全13話構成。第3シーズンは16話にもなるという。スケールに比例して過激度もアップしている『ウォーキング・デッド』、どこまで過激になれるのかぜひ見届けたいものだ。

あらすじ

保安官リック・グライムズは逃亡犯を追いかけている最中に胸を撃たれ倒れてしまう。一命は取り留めたが、病院で昏睡状態が続いていた。
そんなある日、突然目を覚ましたリック。しかしどれだけ時が経ったのか。街は荒れ果て、誰一人として生きていなかった。それどころか死体が歩く死の世界になっていた……。

更新日2012年7月2日