シェイムレス 俺たちに恥はない の作品紹介

飲んだくれオヤジと６人の子どもたち、貧乏でどうしようもない自由すぎる日常を描くファミリーコメディー。

2011年1月より全米ショウタイム局にて放送開始。2004年から9シーズンに渡ってイギリスで放送中の人気作品をハリウッド版としてリメイク。『ER 緊急救命室』の製作総指揮で知られるジョン･ウェルズが『ステート･オブ･プレイ〜陰謀の構図〜』脚本のポール･アボットとタッグを組んで製作することでも話題のファミリーコメディだ。

ビックリ大家族のギャラガー家

飲んだくれの父親フランクギャラガー（ウィリアム･H･メイシー）は妻に捨てられ、シカゴで4男2女の子どもたちと貧乏ながらも自由奔放に暮らしている。子どもたちの面倒を一手に引き受けているのは長女フィオナ（エミー･ロッサム）。そんな母親がわりのフィオナが出会う謎のイケメンがスティーヴ（ジャスティン･チャットウィン）。他の子どもたちもゲイだったり金の亡者だったりとまあそろいもそろって癖のあるキャラのオンパレードだ。
シリアスなドラマなら眼鏡をかけたソーシャルワーカーか何かが登場して、フランクはネグレクトと判定され小さな子どもたちは施設へ……となるはずの設定だが、そんなことはお構いなしなのがギャラガー一家。貧乏でめちゃくちゃだけど、何だか幸せそうな不思議家族なのだ。

新境地でブレイクしたのは……

父親フランク役のウィリアム･H･メイシーは『ER 緊急救命室』のモーゲンスターン部長役や映画『ファーゴ』でのアカデミー助演男優賞ノミネートで知られている。『デスパレートな妻たち』リネット役で知られるフェリシティ･ハフマンと１５年以上も結婚生活を続けているハリウッドではめずらしく真面目な生活態度の男で、フランクとは対照的。
ちなみにこのご夫妻、2人そろって2012年に「ハリウッド･ウォーク･オブ･フェイム」に殿堂入りした。これまた貧乏フランクとはかけ離れたセレブっぷりなのだ。（顔は全然セレブっぽくないけどね……）
一方本作の出演で世の中をあっと言わせたのが、フィオナ役のエミー･ロッサム。エミーと言えば幼い頃からオペラを学び、映画『デイ･アフター･トゥモロー』や『オペラ座の怪人』のヒロイン･クリスティーヌ役で知られるお嬢＆優等生キャラ女優。そんなエミーが本作では大胆ヌードやセックスシーンを演じることで男性ファンを一気に獲得したそう。映画『DRAGONBALL EVOLUTION』の失敗や極秘結婚＆離婚のダメージを、開き直りで見事に跳ね返した。
また、フィオナのお相手スティーヴをジャスティン･チャットウィンが演じているのも面白い。というのも、映画『DRAGONBALL EVOLUTION』でジャスティンは孫悟空役、エイミーはブルマ役をそれぞれ演じていたからだ。「あの映画の失敗は、この2人の組み合わせのせいってわけじゃなかったのね〜」と世の中に知らしめた格好だ。

見どころはスピード感

ファミリードラマというとなんとなくほのぼの、のんびり見られるイメージ。が、本作はまったく逆でスピード感あふれる作りだ。
さすがは『ER 緊急救命室』のジョン･ウェルズ製作というべきか、とにかくジェットコースターばりのスピードで会話やギャグが展開してとにかくもう大騒ぎ！食事シーンなども「緊急食事室」とでも言いたいような緊迫感で次々と事が起こるのである。

貧乏でめちゃくちゃでどうしようもないのになんだかちょっとうらやましいような感じすら覚えさせる「シェイムレス」なギャラガー一家、そのディープな魅力にうっかりはまってしまう新感覚のドラマだ。

更新日2012年12月17日