ブレイキング・バッド（海外ドラマ：2008年 - 2013年）

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ブレイキング・バッドの作品紹介

がん宣告を受けた高校の化学教師が、家族のために麻薬精製に手を染めるクライムドラマ

高校教師がドラッグで金を稼ぎ、利権を狙うマフィアたちを殺したあげく薬品で溶かす……。過激に慣れっこのアメリカでさえ「異色」といわれてしまう危ない内容に、ネットワーク系テレビ局はもちろんのことケーブル局でさえ、制作に首を縦に振らなかったという。予想に反する大ヒットで数々の賞を受賞した話題作。

高校教師が悪事に手を染めるまで

アメリカの公立高校教師の年収は500万円位らしい。そして子どもを１人大学までいかせるには2000万円もかかるんだそうだ。だから貯金なんてほとんどない。なのに、もし働き手であるお父さんが死んでしまったら家族はどうなる？
『ブレイキング・バッド』の主人公・高校教師のウォルター・ホワイトは、末期がん宣告を受けまさにそんな問題に直面した。しかも彼の息子は脳性麻痺で、妻は身重だ。
家族の将来を守るため、ウォルターは得意分野である化学の力を利用することにした。麻薬精製という方法で……。
テレビとして「良い番組」ではないにもかかわらず、多くの視聴者を獲得し批評家たちからも大絶賛されたのは、アメリカが抱える社会構造の闇をリアルに描いているからとも言われている。
パンツ姿の眼鏡おじさんが仁王立ちしているDVDジャケ写から連想するコメディ作品では決してないのだ。

地上波ではムリな危なさが人気

『ブレイキング・バッド』成功の鍵を握っていたのは、製作総指揮・脚本のヴィンス・ギリガン。自ら書き下ろした危なすぎる脚本を、断られても断られても売り込み続け、とうとうAMCとの契約に漕ぎ着けたのだ。
キャスト陣の演技も高評価の源だ。主人公ウォルター役のブライアン・クランストンはエミー賞主演男優賞を3度連続受賞、悪事の片棒を担ぐ教え子でドラックディーラーのジェシー役アーロン・ポールも2度の助演男優賞に輝いている。2013年には4度のノミネートを経てエミー賞作品賞も獲得した。

最後まで完璧

視聴率が稼げるからと無理矢理話を引きずったり、人気がなければお構いなしにばっさり打ち切ったりすることが常識のアメリカ・テレビドラマ界。しかし、『ブレイキング・バッド』は大人気のままきっちりかつさっぱりとエンディングを迎えた。5シーズン62エピソードのすべてでファンを満足させたのだ。
その結果、2014年第71回ゴールデングローブ賞テレビドラマ部門では作品賞と男優賞をダブル受賞するという快挙で有終の美を飾った。

更新日2014年2月13日